
駐日米国大使 ハワード・ベーカー
04年を振り返ると、日米関係が最良だった年の一つだと自信を持って言うことが出来る。両国は、経済、政治、社会に加え文化、軍事面でも世界のリーダーとなっている。我々が強固な関係を持つということは、世界全体にとっても非常に重要なことだ。
両国間の不断のハイレベル接触は、二国間関係の健全さと重要さを象徴している。たとえばブッシュ大統領と小泉首相は昨年計3回会談し、ほかにもチェイニー副大統領をはじめとして数多くの米政府高官が日本を訪れた。政府や軍の最高幹部、多くの連邦議員らも日本側と共通する利益について話し合うために来日した。シュワルツェネッガー・カリフォルニア州知事を含め多くの州知事も代表団を率いてきた。
強固な政府間関係以上に印象深いのは、国民レベルのめざましい関係だ。
昨年1年を通じて日米和親条約締結150周年の記念行事で、何百もの草の根市民団体が、歴史的遺産や複雑に絡み合った両国の未来について語り合うために集まった。両国民は互いに魅力を感じ合い、良い影響を与えあっている。私の孫が日本で参加したような学生交流もこれまでになく盛んだ。米国は日本からほかのどの国より多く学生を受け入れており、もっと受け入れたいと考えている。
私は力強いリーダーシップ、積極的思考のすばらしい例を日本で見いだした。私の長い政治キャリアの中でも、小泉首相のような独特のエネルギーと決断力、想像力を併せ持つ改革者に出会うことはまれなことだ。内政、外交両面で根本的に重要な問題について取り組んでいることを称賛する。それは、ある意味で国際社会の日本に対する尊敬と称賛の高まりにつながった。非常に重要な経済改革の政策パッケージを何としても実施しようとする姿勢は、日本の利益になるだけでなく、世界を牽引するエンジンとしての日本経済の復活に資するだろう。
首相は積極的な外交活動を通じ、日本を世界の舞台で強力なプレーヤーに仕立て上げた。米国は国連安全保障理事会の常任理事国になろうという首相の努力を支持する。イラク、アフガニスタン復興に向けた何十億ドルも上る援助など、テロとの戦いに貢献するという首相の決断は、両国での平和構築に必ずや役立つだろう。イラク復興のためのサマワへの自衛隊派遣は決して容易な選択ではなかったかもしれないが、正しい判断を下したということは、いずれ歴史が証明するだろう。
日米両国は、インド洋を襲った地震と津波で多くの命や財産が奪われたことに対し、悲しみを共有した。思いやりと責任感から、我々は被災者に対する前例のない規模の国際的な支援・復興活動を進めるうえで、主導的役割を担っている。世界で最も繁栄し、成功した二つの社会として、日米には世界の指導者としての役割を果たすことが求められている。
昨年1年間のさまざまな出来事を通じ、日米両国は年が明けてもなお残る、我々や世界全体に対する多くの挑戦を克服する決意をより強固なものとするとともに、より緊密に協力する能力も高めることができた。
日本を離れる時期が近づいてきたが、大使として過ごした4年間で、私はいくつか非常に印象深い経験をした。妻ナンシーと私は日本で過ごした期間、いろんな地方に赴く機会、たくさんのすばらしい人たちとの出会いを心から楽しんだ。大統領に駐日大使に選任され、米国にとっておそらくほかのどの国よりも緊密な友好関係の一層の発展に、ささやかながらも貢献ができたことを感謝し、光栄に思う。
(原文は21日付ヘラルド朝日に掲載されます)


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