
ファクトシート:ブッシュ大統領が経済、医療、教育改革に関する構想を発表
ブッシュ大統領は1月20日、経済成長の促進、民主主義の拡大、教育改革、そして手ごろな価格の医療の実現ための構想を発表した。ホワイトハウスのファクトシートによると、大統領は、全米民主主義基金の予算を倍増し、中東における各種プログラムに4000万ドルを割り当てることを要請した。
以下はそのファクトシートの全文である。
ホワイトハウス
大統領報道官室
2004年1月20日、ワシントンDC
2004年1月20日
ブッシュ大統領は、一般教書演説で、米国が過去3年の間に開始した作業を完成させ、自信と力強さをもって将来に直面することを呼びかけた。米国の最も差し迫った必要性に対処するため、大統領は、経済成長を強化し、教育と雇用訓練の改革をさらに進め、医療費の上昇に対処し、米国をより思いやりのある国家とするための新たな構想を発表した。
21世紀の雇用
米国の成長する経済は、変化する経済でもあり、ブッシュ大統領は、米国民が新しい米国経済の中で繁栄するために必要な技能を習得することを支援したい、と述べた。大統領は、現在および将来の労働者を、新たな千年紀の雇用のために訓練する一連の措置に5億ドル以上を提供する「21世紀の雇用」対策を発表した。
ブッシュ大統領は、現在の労働者が、高成長産業における雇用を確保するために必要な訓練を受け、技能を習得することを支援したい、と述べた。また大統領は、高校生の進学・就職に向けた教育・訓練の向上を支援することも希望している。米国で最も急成長している雇用の80%が、高等教育を必要とし、多くが数学・科学の技能を必要とする時代において、この構想は特に重要性が高い。
ブッシュ大統領の「21世紀の雇用」構想は、米国のコミュニティ・カレッジに対する支援を拡大し、最も多くの雇用を創出する産業のために労働者を訓練できるよう援助する。この構想には、コミュニティ・カレッジと、需要の高い雇用部門の雇用者とのパートナーシップに2億5000万ドルの資金を提供する提案が含まれている。これは、ブッシュ大統領が2001年および2002年に開始して成功を収めた試験的なプログラムを基盤とするものである。
ブッシュ大統領の計画は、米国の中学・高校における教育の質を向上させ、生徒たちが高等教育機関および雇用市場で成功するための準備をさらに充実させるものである。これには、読書力の向上を目指す生徒たちのための1億ドルの支援、そして数学教育改善のための1億2000万ドルの支援が含まれる。
大統領の計画では、低所得地域の学校で、優秀な生徒のためのクラス(アドバンスト・プレースメント・プログラム)を拡大するとともに、民間部門の数学・科学の専門家を、高校の非常勤講師として採用する。また、生徒たちが高校でよりむすかしいクラスを取ることを奨励するために、ペル奨学金制度による奨学金を増額する。
より手ごろな価格の医療
今日、多数の米国民が医療保険に入っていない主な原因は、医療費の急上昇である。保険をより手ごろな価格のものにするために、大統領は、急増する医療コストに対処し、より多くの国民が医療保険を利用できるようにする諸措置を提案した。
非課税の医療貯蓄口座(HSA)-- ブッシュ大統領が先月署名して成立させたメディケア処方薬法案の一部として、労働者は、医療貯蓄口座(HSA)を利用できるようになる。これは、個人、配偶者、または扶養家族の医療費の支払いに使うことのできる、完全に移動可能な非課税の貯蓄口座である。個人によるHSAへの拠出金は、税金の項目別控除を申請しない場合でも控除の対象となる。また雇用者による拠出額は、個人の課税所得とはならない。
非課税のHSA保険料 -- ブッシュ大統領は、新規HSAの一部として高額医療費保障を購入する個人は、その保険料全額を税額から控除できることを提案した。この医療保険料の新たな控除制度は、項目別控除をしない納税者も利用することができ、雇用主を通じた医療保険に入っていない多数の米国民にとって、医療保険をより手ごろな価格にするものである。
また大統領は、議会が、1人当たり最高1000ドル、1家族当たり最高3000ドルの還付可能な税額控除を定めることによって、低所得労働者が医療保険を購入しやすくすることを求めた。
大統領は、中小企業が団結して保険料の引き下げ交渉を行い、より多くの労働者に医療保険を提供できるようにするため、中小企業向け団体健康保険制度を議会が可決することを要求した。
ブッシュ大統領は、救命とコスト節減に役立つ医療情報技術に関連する実証プロジェクトの予算を倍増し、1億ドルとすることを提案した。
民主主義拡大の努力の倍加
全米民主主義基金(NED)は、レーガン政権時代に、世界各地における民主主義の拡大を目的として、議会が設立したものである。独立した超党派的な理事会が管理するNEDは、毎年数十カ国もの国々で、民主主義促進団体を支援する数百件もの助成金を提供している。NEDの活動の一部は、民主主義、人権、宗教的寛容、報道の自由、および自由選挙のために闘う非政府機関(NGO)や市民団体への直接の助成金を通じて行われる。昨年のNEDの予算総額は3960万ドルであった。大統領は、NED予算を倍増し、増額分の4000万ドルを中東におけるプログラムに割り当てることを求めた。
米国の若者の健全な生活の支援
十代の若者による薬物乱用という国家的課題への対処:米国保健福祉省の薬物乱用・精神衛生管理局(SAMHSA)が実施した調査によると、米国の12歳から17歳までのティーンエージャーのうち約140万人が、薬物治療を必要としている。また、十代のうちに薬物の使用を始めなかった子どもは、後に薬物を乱用する可能性がはるかに低い、というデータもある。
ブッシュ大統領は、一般教書演説で、米国の若者が薬物中毒に陥らないよう支援する新たな計画を発表した。ブッシュ大統領の2005会計年度予算には、生徒の薬物検査のための補助金2500万ドルが含まれ(これは2300万ドルの増加である)、政府、軍隊、教育、輸送、および民間部門の職場で実績のある早期介入プログラムの普及を図る。大統領の反麻薬政策は効果を上げている。つい先月には、主要な全国調査で、8年生、10年生、12年生の薬物使用者が40万人減少していることが明らかになった。これは、この年齢層では11%の減少であり、大統領の2年計画で達成を目指す目標の10%を上回る減少率である。
有名運動選手が若者の優れた模範となることを奨励:ブッシュ大統領は、米国の主要なスポーツ・リーグおよびその選手たちに、運動能力増強用の薬物の使用をやめるように呼びかけた。そうした薬物を使用するエリート選手はごく少数であるとしても、それは大勢の米国の若者に危険な手本を示すことであり、若者に健康と安全を脅かすリスクを冒させることである。
ブッシュ大統領は、これらのスポーツ・リーグおよび選手たちに、米国の若者に対して、より健全かつ建設的な手本を示すために、厳しい薬物方針を設定するよう要請する。こうした方針は、スポーツの品位を守り、スポーツ選手の健康と福利を確保するものでもある。
十代の若者の禁欲奨励の支援拡大:米国では毎年300万人のティーンエージャーが、性病にかかり、その結果として心の傷や深刻な病気に悩み、時には死に至ることさえある。ブッシュ大統領は、十代の若者とその親に、低年齢での性行為に伴う健康上のリスクについて教育し、若者が責任ある選択をできるようにするための手段を提供する、新たな構想を発表した。ブッシュ大統領の2005会計年度予算では、禁欲教育プログラムへの資金が増加され、2億7000万ドル以上となる。大統領はまた、保健福祉省に、研究に基づく標準的な禁欲教育カリキュラムの基準を作成するよう指示するとともに、連邦政府が十代の若者に確実に正しいメッセージを発信するように、十代の妊娠防止、家族計画、性病、およびHIV/AIDS予防といった、若者を対象とするあらゆる連邦政府プログラムの見直しを要求した。また、親が子どもたちに、低年齢での性行為に伴う健康上のリスクについて話をすることを支援するための公共教育キャンペーンを発表した。
困窮する人々を援助する、信仰に基づく慈善団体および地域の慈善団体の権限強化
これまで、貧困者の援助を効果的に行っている、信仰に基づく団体の多くが、連邦政府と提携しようとする際に差別にあってきた。ブッシュ大統領が2002年12月に導入した規制改革は、こうした問題の多くを改善したが、これはさらに法律によって保護されるべきである。
ブッシュ大統領は、連邦政府の補助金支給過程で、信仰に基づく団体も平等に扱うとの原則を法律化し、そうした慈善団体に対する差別を廃止する意図を明らかにした。この法律は、より多くの困窮する米国民が、慈善団体の宗教色の有無にかかわらず、米国で最も効果的な慈善団体から、不可欠な社会福祉サービスを受けられるようにするものである。
釈放された囚人の再犯を減らすことによる地域社会の保護
今年、刑期を終えた囚人約60万人が釈放される。残念ながら、その多くが、再び罪を犯して刑務所に戻り、自らに対しても社会に対しても新たな負担を生み出す。こうした囚人の再犯を減らすために、ブッシュ大統領は、信仰に基づく団体および地域社会の団体の資源と体験を活用して、釈放された囚人が社会に貢献できるようにするという難題に取り組む計画を提案した。
信仰に基づく団体と地域の団体、労働省、住宅・都市開発省、および司法省との協力を通じて、この構想は、社会への償いを果たした人々が社会復帰に成功するための3つの主な要件、すなわち指導教育、一時的な住居、そして基礎的な雇用訓練と就職あっせんに取り組む。大統領の2005年度予算は、この総額3億ドルの4カ年構想の1年目の資金を提供する。


駐日米国大使