
*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。
2008年7月5日
概要
「日米規制改革及び競争政策イニシアティブ(規制改革イニシアティブ)」は、新たなビジネスチャンスの創出、ビジネス環境全般の改善ならびに市場における競争の強化により経済成長を促進する手段として2001年に設置された。このイニシアティブは、包括的な「成長のための日米経済パートナーシップ」の重要な要素のひとつである。
7年目を迎えた規制改革イニシアティブの下での日米両政府の取り組みは、2007年の10月に年次要望書を交換して以来、継続されてきたものである。この作業は、イニシアティブの4つの作業部会および上級会合で進められてきた。この両国首脳への年次報告書は、その進ちょく状況、ならびに過去9カ月にわたり日本が約束した、新しい前向きな取り組みの概要をまとめたものである。
この7回目の両国首脳への年次報告書には、電気通信、情報技術、知的財産権、医療機器・医薬品、金融サービス、農業、競争政策、透明性、司法制度改革、商法、ならびに流通などの主要分野で日本が講じている措置が列記されている。この報告書に盛り込まれている進展には、輸入手続きの簡素化、規制に関する意思決定の公開、貿易ならびにビジネスに関する障壁の低減、競争の強化そしてビジネス環境の改善に向けての措置などがある。
米国は日本に対し、今後も消費者および企業に利益にもたらすともに、新しい経済成長を促すような意欲的な経済および規制改革政策の遂行に断固として重点的に取り組み続けるよう、引き続き強く促す。
日米両首脳への第7回報告書
主な進展
通信
- 支配的事業者であるNTTドコモや、その他の携帯電話事業者が接続事業者から回収していた端末の販売奨励金を廃止することに同意した。これにより、競争を著しく阻む要因となっていた高い着信料金の引き下げにつながるはずである。
- 従来の放送事業者が退去することで空き周波数となった周波数帯をモバイルTVを含む新たなサービスに割り当て、新規サービス提供者にとっての技術の選択肢をいかに拡大させるかという課題の解決につながると米国が期待する手続きに着手した。
- NTT東西がインターネット・プロトコルに基づく「次世代」光ファイバー・ネットワークに移行するにあたり、競争促進的な接続義務を課すことを確保する。
- 日本国外での電気通信ならびに情報技術(IT)機器の試験および認証を許可する取り決めにより、これらの機器の貿易を促進し、類似モデルの機器を重複して試験することを防いでいる。
情報技術
- 世界規模で知的財産権の執行を一層強化するため、強力な模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)を2008年中に締結すべく、米国およびその他のパートナー諸国と交渉を開始している。
- 画像保管システムなどの情報の共有を促進する革新的な医療ITを医師や病院が導入し活用するよう、診療報酬インセンティブを増加させた。
- 2009年4月までに情報システムにかかる政府調達事例データベースを拡充して、入札希望者が入手できる情報を増やすことにより、調達機会に関する情報の質を高める。
- 新しい「情報システムに係る政府調達の基本指針」に従って情報の開示を促進し、企業が同指針の実施状況をより良く監視できるようにする。
医療機器・医薬品
- 補正加算の引き上げならびに新規機能区分の追加により、革新的な医療機器の開発に対するインセンティブを向上させた。
- 新たな医療機器および医薬品の製品申請にかかる医薬品医療機器総合機構 (総合機構)の審査員を増員し、日本市場における製品ラグをさらに緩和する。
- 総合機構が製薬会社と行う相談の数を50%増加するとともに、審査員を増員し専門性を強化する。
- 市場拡大算定ルールや年次改定等、主要な償還問題について意見を述べる機会を、製薬業界に提供する。
- 栄養補助食品の輸入にかかる事前相談において受けた指導内容を記す文書に、日付ならびに相談を受け付けた検疫所名を押印し、輸入事前相談を済ませた証拠として相談企業に提供することに同意した。
- 医薬部外品の承認手続きの透明性を高めるため、薬用化粧品に含まれる有効成分リストを2008年末までに公表する。
金融サービス
- 業界との協議により策定した、より一層の競争力のある、効率的でダイナミックな金融市場を支援することを目的とする「金融・資本市場競争力強化プラン」を導入した。
- 日本の金融市場の効率性の向上と競争を促進させる銀行・証券間のファイアウォール規制の緩和を約束した。
- 金融庁のベター・レギュレーション(金融規制の質的向上)の一環として、外国金融機関を含む、金融サービス業界との対話を促進する。
競争政策
- 被審人が手続きの公平性を享受することを保証するために、2008年度中に公正取引委員会(公取委)の行政審判制度全体を見直す。
- 公取委の命令の事前通知受取人に対して、証拠を精査し、反論するための十分な時間を与えることにより、手続きの公平性を向上させている。
- 法律による保護の対象となる情報が含まれている場合、弁護士・依頼者間のやりとりが含まれている資料を秘密情報として取り扱うことを約束した。
- 談合活動に関与したことが発覚した企業と個人の両方に対する罰則を強化した。
- 公取委の課徴金減免制度の下での企業による談合活動の通報を奨励する補完制度を導入済みの省庁数を11まで増やした。
商法および司法制度改革
- 2008年夏までに買収防衛策の導入および発動条件を明確化することなどを通じて、公正で透明な合併と買収(M&A)環境の構築を約束した。
- 証券取引所におけるコーポレートガバナンス(企業統治)強化の取り組みを奨励するなど、コーポレートガバナンスを強化する広範囲な措置の実施に取り組むとともに、必要な法改正を特定するために広範な法制度の見直しを実施している。
- 議決権行使の関係書類を株主総会の少なくとも2週間前に発送するよう企業に義務付けるように、東京証券取引所の上場規則を改正した。
- 上場企業の少数株主が不当に不利な立場になることがないよう確保するため、自主規制ルールをより実効的なものにするよう証券取引所を促す。
- 外弁が複数の支所を設立することを容認する、日本にいる外弁による専門職法人設立に必要な措置について、2008年末までに結論を出すよう取り組んでいる。
その他の通商関連の政府慣行および透明性
- 保険会社が銀行を通じて保険商品を販売する機会を自由化することにより、保険会社が銀行で提供できる商品の品ぞろえを増やし、それにより日本の保険市場の競争力を強化し、消費者の利便性を向上させた。
- ポリソルベートを含む、世界中ですでに承認されている6種類の食品添加物について日本での使用を新規に認可した。安全な農産物および加工食品の貿易をさらに促進する。
- 消費用として日本へ輸出されたレタスの病害虫検疫の手続きを簡素化した。
- 2008年4月末時点で、約120本の日本の法令の公式な英語翻訳が完成しており、日本で事業を行う企業の情報へのアクセスを改善している。
民営化(日本郵政)
- 郵政金融機関の業務範囲を拡大するにあたり、常に対等な競争条件が確保されていることを確認する。
- 新しい日本郵政グループ会社間の関係および取引が、アームス・レングス・ルールを含む、銀行法および保険業法に基づく規制上の義務を満たさなければならないことを明確にし、新しい日本郵政グループ会社に対する規制上の取り扱いが他の民間金融機関と平等になるよう促した。
- 2007年10月1日以降、日本郵政公社の旧勘定の預金および再保険契約が、他の民間金融機関と同じ規制環境に置かれることを確認して、民営化前の旧勘定と新しい日本郵政グループ企業の間の内部相互補助を防止している。
- 2007年10月1日に開始された民営化のプロセスを監督するために、参事官1人と職員4人を追加配属することにより、ゆうちょ銀行およびかんぽ生命に対する金融庁の監督を強化する。
- 2007年10月1日以降にゆうちょ銀行が受け入れる預金やかんぽ生命が募集を行う保険商品について、暗黙の政府保証が付されているとの認識を払拭するための手段を講じている。
- 民間の国際エキスプレス業者と競合する日本郵政のEMSサービスを利する不公平な取り扱いに関し、民間事業者が意見を提出できる機会を提供することにより透明性を向上させた。
流通
- 臨時開庁手数料を廃止し、臨時開庁の申請手続きを簡素化して税関申告手続きを簡単にすることにより、税関手続きを円滑かつ効率化した。
- 関税法を改正し、日本のAEO制度に通関業者を含めたことにより、貨物引取り申告と納税申告を別々に行うことが可能となる。


大使のスピーチ・寄稿