
*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。
以下は米国国務省のウェブサイト(http://www.state.gov)上で行われた「Ask the Ambassador(大使に聞く)」プログラムでのJ・トーマス・シーファー駐日米国大使に対する質問と大使の回答。
2008年5月30日
地域の問題について
ニュージャージー州在住ロジャーさんからの質問
シーファー大使、米国は、経済面・軍事面・政治面で東アジア第1の大国に台頭した(もしくは台頭しつつある)中国と、長らく戦略的パートナーシップを組んで強く支持してきた日本との間で、どのように均衡を取るつもりですか。
シーファー大使
ロジャーさん、おっしゃるとおり、米国と日本は長らく戦略的パートナーシップを組んできました。日米同盟は、両国にとって太平洋地域における外交政策の要です。日米両国は、日米同盟が強固で健全であればあるほど、現在アジアで起きつつある、中国の台頭をはじめとする変化への対応が容易になると考えています。中国とより良い関係を築くことが、日米関係を損なうことにはなりません。
ジョージア州在住ジョナサンさんからの質問
親愛なるシーファー大使、通商貿易の分野だけでなく、軍備競争や敵対的な戦闘行為の防止においても健全な日中関係を確保するために、米国が現在行っていることと計画していることを教えてください。日米は60年近く同盟関係にありますが、米国は中国との協調を保ちながら、日米同盟をどのように維持し、向上させていきますか。
シーファー大使
ジョナサンさん、米国も日本も中国と対立する必要はありません。日米ともに、より良い日中関係は、地域の平和という長期的利益にかなうものであると考えており、その目標を達成するためにそれぞれの役割を果たす用意があります。日米同盟に関しては、上記のロジャーさんに対する私の回答を参考にしてください。
米国在住ジョンさんからの質問
日本と中国との関係をどのように見ていますか。また日本と台湾との関係をどう評価していますか。
シーファー大使
ジョンさん、日中関係は改善しつつあります。大きな被害をもたらした四川大地震では、今週に入り、中国が日本に支援を要請し、日本はこれに同意しました。誰もがこの動きを歓迎しています。また日本と台湾は依然として強固な関係を維持しています。日本は、米国と同様、中国と台湾が台湾海峡での戦闘へと発展しかねない挑発的な行動を取らないようにする「ひとつの中国」政策を取っています。日本と米国は、中台間の食い違いは平和的に解決されなければならないと固く信じています。
中国在住アダムさんからの質問
中国や北朝鮮との最近の緊張状態を踏まえて、米国と日本は、東アジアの安定と安全を向上させるために、どのように協力していますか。
シーファー大使
アダムさん、米国、日本、中国、韓国、ロシアは6者協議に参加し、北朝鮮に対し核兵器開発を断念するよう強く促しています。朝鮮半島の非核化は、北東アジアのさらなる平和のためにすべての当事国が行うことができる、大きな貢献のひとつだと思います。
日本について
韓国在住リーさんからの質問
日本の歴史の歪曲(わいきょく)についてどう思いますか。米国の視点に立ってお答えください。
シーファー大使
リーさん、歴史の問題では、私たち誰もがもっとうまく対処できるはずです。歴史的事実について論争すべきではありません。起きてしまったことは取り返しがつかないことですが、これを無視すべきではありません。同時に、過去でなく未来に目を向ければ、私たちすべてにとって最善の結果がもたらされるでしょう。
ドイツ在住マーティンさんの質問
テロとの戦いにおける日本の取り組みをどう評価しますか。この問題に関しどのような点を日本に改善してほしいと望んでいますか。
シーファー大使
マーティンさん、日本は、アフガニスタン、イラク、および数多くの国際的な協議の場において、テロとの戦いに対する価値ある貢献を行っています。私たち誰もが、テロが現代の災いの種であることを認識する必要があります。そして、テロを根絶するためにできることはすべて行わなければなりません。
在日米軍について
ニューヨーク州在住エンジェルさんからの質問
シーファー大使、在日米軍の一部の兵士による、常軌を逸した恥ずべき行為を取り締まるために、米国政府はどのような措置を取っていますか。日本人は米軍をあまり好意的に見ていないようですし、米軍が事態に適切に対処しているようには見受けられません。
シーファー大使
エンジェルさん、日本に駐留する少数の兵士がひどい行いをしたことは、疑いのない事実です。一方で、圧倒的多数の兵士たちは、名誉と功績をもって、ここでの任務を果たしています。軍内部の犯罪率は、一般市民による犯罪率よりも大幅に低くなっています。少数の者の行為で全員を非難する前に、この点を忘れてはなりません。
経済問題について
スウェーデン在住リイサさんからの質問
日米相互の関係について教えてください。両国間の貿易はどのような状況にありますか。回答していただけるとうれしいです。
シーファー大使
リイサさん、日本は米国にとって世界第4位の貿易相手国です。両国の関係は大変良好です。そして今後も、両国の通商関係がさらに発展することを望んでいます。あなたの質問に答えることができて、うれしく思います。
韓国在住ハンナさんからの質問
日本とほかのアジア諸国が、今日の経済でより緊密に支え合うことができるように、米国はどのような形でその関係強化に影響を及ぼしたり、支援していくつもりですか。
シーファー大使
ハンナさん、米国は日本に対し、米国のほかの友好国や同盟国と接触するよう促しています。私たちは、日本と米国にとって、他の国々との間で、2国間だけでなく多国間の良好な関係を持つことが重要だと考えています。対話をすればするほど、互いを理解する可能性が高まりますし、平和を実現するための最も大切な要素は、やはり理解することです。
大使の仕事、国務省の仕事について
マサチューセッツ州在住ジュリアさんからの質問
わたしは8年生(中学2年生)で、大統領の仕事についてレポートを書いています。米国大使として回答をお願いします。大使はどのように任命されたのですか。大統領は大使の仕事に関与していますか。関与する場合には、どのような形で関与するのですか。お時間を割いていただき、ありがとうございました。
シーファー大使
ジュリアさん、米国大使は、上院の助言と承認に基づき、大統領が任命します。大使は大統領の政策を実行することに力を尽します。すべての大使は、米国の行政府を構成する各省庁を代表し、ひとつにまとめた米国の考えを外に発信する仕事に懸命に取り組んでいます。
バージニア州在住アルビンさんの質問
駐日大使の仕事とは、どのようなものですか。言葉の壁により、大使の外交活動にどのような影響がありますか。
シーファー大使
アルビンさん、大使とはとても素晴らしい仕事です。日本における米国の顔です。外国で自分の国を代表することは、謙虚な気持ちにさせてくれると同時に心躍るような経験でもあります。日本語が話せたら素晴らしいのですが、残念ながら話せません。そこで大変優秀な通訳者の方々にお願いして、私が伝えたいことを日本語に訳してもらっています。
カリフォルニア州在住エリザベスさんからの質問
私の息子は大学で経済学を勉強しています。将来国務省で働くことを希望している人にとって役立つ専攻科目には、どのようなものがありますか。ありがとうございます。
シーファー大使
エリザベスさん、経済学は外交官として働く上で役に立つ専攻ですが、政治学も経営学も、ほとんどどの学科も同じように役立ちます。国務省が求めているのは、外国において、高潔かつ誠実な態度で自国に奉仕することを望む人材で、特定の学科を専攻した中から選ぶということはありません。とは言え、さらに語学力があれば外交官として働くために大変有利です。
ジョージア州在住ハレさんからの質問
実は、私の婚約者は駐日米国大使になることを夢見ていて、今、ジョージア工科大学で国際関係を勉強中です。外交官になる前に、国務省が実施する厳しい試験を受けなければいけないことは知っていますが、米国大使になることを夢見ている若い学生に何かアドバイスしていただけますか。貴重なお時間をありがとうございます。
シーファー大使
ハレさん、その男性は大志を抱いているようだから、彼と結婚なさい。東京の大使公邸に住むのも悪くありませんよ。外交官以上に充実した職業はなかなか見つからないでしょう。どうぞ、あなたも、あなたの婚約者も外交官になることを真剣に考えてください。尊敬すべき仕事です。
学生について
カリフルニア州在住クリスティーナさんからの質問
日本を旅行したいと考えている、あるいは日本での就職や留学に興味がある学生向けの制度にはどのようなものがありますか。
シーファー大使
クリスティーナさん、旅行、就職、または留学を目的に日本に来る学生向けに、さまざまなプログラム、奨学金制度、インターンシップがあります。こうした制度を調べてみてください。
国務省のインターンシップについての詳しい情報は、http://www.careers.state.gov/student にアクセスしてください。
交換留学制度についての情報は、http://www.exchanges.state.gov/education/educationusa/usstudents.htmにアクセスしてください。
また、日本政府が運営する「外国青年招致事業(JETプログラム)」もあります。http://www.jetprogramme.org/を参照してください。これは、大学を卒業した若い米国人に、日本に住んで、英語を教える機会を提供するプログラムです。
日本在住デボラさんからの質問
私は日本で英語を教えています。留学や「ホームステイ」をしたいと思っている日本人高校生の多くが、米国は渡航先として危険すぎると考えているようです。親たちもオーストラリアか英国に行ってもらいたいと思っているようです。米国に対するこのような認識を正す対策を何か取っていますか。
シーファー大使
デボラさん、私も、米国で勉強するのは危険だと思っている外国人が大勢いることは知っています。まるでそれが都市伝説のようになっています。私たちは皆、その伝説が誤りであることを日々証明する義務を負っています。米国は勉強に適しており、安全な場所です。同様に、米国人も、外国人と同じ教室で学ぶことで、学習経験が豊かになります。教育交流がもっと促進されることを願っています。


駐日米国大使