
American View 2009年冬号では、バラク・オバマ大統領の就任を祝い、新大統領の将来へのビジョン、大統領の半生と家族、そしてバイデン副大統領の経歴を紹介しました。お楽しみいただけましたか。
オバマ政権は、発足後、まだ最初の100日が経過していません。では、政権発足後最初の100日間に、米国大統領はどのような課題に直面するのでしょうか。本号では、新米国安全保障研究所の最高経営責任者であるカート・M・キャンベルが書いた記事「新政権が直面する初期の課題」をご紹介します。この中でキャンベル氏は、オバマ政権が政権移行期に重点的に取り組まなければならない重要な課題として、選挙公約の再評価、意思決定と統治のための人材とプロセスの選定、行動計画の策定の3つを挙げています。
こうした課題への大統領の対応の成否は、政権発足間もないころから、頻繁に(実際には絶えず)メディアから評価されます。特に政権移行期には、メディアとの良好な関係が必要です。2つ目の記事は、ホワイトハウスの広報戦略を研究しているマーサ・ジョイント・クマールの小論です。クマール教授は、いずれの米国大統領にも、大統領とメディアの間のリズムを意識して、これをいかに利用するべきかを判断できるチームが必要である、と説いています。
2月に、ヒラリー・ローダム・クリントン国務長官が来日しました。これは、就任後初の外遊であるアジア歴訪の一環です。クリントン長官は常々、エレノア・ルーズベルトの言葉に感化される、と言っています。本号では、そのエレノア・ルーズベルトの人物像をご紹介します。夫フランクリン・D・ルーズベルト大統領の任期中、信頼できる政策アドバイザーの役割を果たしたエレノアは、1945年にルーズベルト大統領が亡くなった後、国連人権委員会の委員長を務めました。エレノア・ルーズベルトがその生涯で果たしたさまざまな役割のうち、彼女自身が最も重要だと思っていた仕事は、この人権委員会の委員長でした。
本号が、ホワイトハウスを取り巻く力学を知り、世界人権宣言の起草者の1人であるエレノア・ルーズベルトの生涯を振り返る一助となれば幸いです。
最後に、先月ワシントンで89年の生涯を閉じたデニス・アスキー氏に哀悼の意を表したいと思います。アスキー氏は1969年に在日米国大使館に赴任し、日本語広報誌「トレンズ」の創刊編集長を務めました。「トレンズ」は、米国の政治、経済、社会、文化に関するさまざまなテーマを取り上げた雑誌でした。American Viewは、アスキー氏の精神を受け継ぎ、今後も皆さんに関心を持っていただける記事をお届けしていきます。


大使のスピーチ・寄稿